:ボーカルと楽器を
録音する
マイクで捕えられる音声なら、自分の声でもどんなサウンドでも録音
できます。楽器を演奏するなら、それも「
GarageBand
」プロジェク
トに録音できます。
「
GarageBand
」では、マイクのサウンドや、コンピュータに接続されている楽器のサウンドは
リアル音源トラックに録音します。リアル音源トラックは青のヘッダで表示され、録音を含む
リージョンは紫で表示されます。トラックの設定の変更やリアル音源トラックへのエフェクトの
追加は、「トラック情報」パネルで行うことができます。
このチュートリアルでは、以下の方法について学びます:
Â
リアル音源トラックを追加して音源設定を変更する
Â
エレクトリック・ギター・トラックを追加してギターアンプを選択する
Â
リアル音源トラックまたはエレクトリック・ギター・トラックにサウンドを録音する
Â
サイクルリージョンを使用して、プロジェクトの特定の部分に録音する
Â
複数のテイクを録音する
Â
ギターをチューニングする
リアル音源トラックを追加する
サウンドをリアル音源トラックに録音するには、まずプロジェクトにトラックを追加して録音の
準備をする必要があります。
リアル音源トラックを追加するには:
1
トラック追加ボタンをクリックするか、「トラック」>「新規トラック」と選択します。
2
「新規トラック」ダイアログで「リアル音源」をクリックし、「作成」をクリックします。
タイムラインに新規のリアル音源トラックが現れ、タイムラインの右側に「トラック情報」パネ
ルが開きます。
「トラック情報」パネルでは、選択したトラックにさまざまな設定を選択できます。
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第
5
章
チュートリアル
3
:ボーカルと楽器を録音する
3
「トラック情報」パネルの左側にあるリストから音源の種類を選択し、右側のリストから音源を
選択します。
4
「入力源」ポップアップメニューから、マイクや楽器のオーディオ入力を選択します。
Â
コンピュータの内蔵マイクを使用する場合は、「内蔵マイク」を選択します。
Â
マイクや楽器がコンピュータのオーディオ入力ポートに接続されている場合は、
「ライン入力」
を選択します。
Â
マイクや楽器がオーディオインターフェイスに接続されている場合には、メニューから正しい
チャンネル(またはステレオの
1/2
チャンネル)を選択してください。
Â
録音する楽器の出力が
1
つなら、モノ(モノラル)入力を選択します。楽器に左右の出力があ
る場合は、ステレオ入力を選びます。
5
演奏中にマイクや楽器の音声を聴きたい場合には、
「モニタ」ポップアップメニューから「入」ま
たは「入(フィードバック保護が有効)」を選択します。
入力形式と入力チャンネルを設
定する場合と、モニタの入と切
を切り替える場合に、これらの
コントロールを使います。
このリストから音源のカテ
ゴリを選択します。
このリストから音源を選択
します。
第
5
章
チュートリアル
3
:ボーカルと楽器を録音する
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モニタを「入」にすると、スピーカーから出力されるサウンドをオーディオ入力が拾ってしまい、
フィードバック(大きく甲高いノイズ)が発生することがあります。「入(フィードバック保護
が有効)」を選択した場合には、入力源からのフィードバックが発生すると「
GarageBand
」に
よってモニタリングが自動的に停止されます。また、スピーカーではなくヘッドフォンで聴くよ
うにすれば、フィードバックを防止できます。マイクや楽器をスピーカーに向けないように気を
つけて、マスター音量を抑え目にすると、フィードバックが発生しにくくなります。
6
クリップノイズまたは歪みが生じない限り最大のレベルになるようトラックの録音レベルを調
節します。
録音レベルを調整するには、以下のいずれかの操作を行います:
Â
楽器またはマイクに音量コントロールが付いている場合には、それを調整します。
Â
楽器またはマイクがオーディオインターフェイスに接続されている場合には、そのオーディオ
インターフェイスの音量コントロールを調整します。
Â
「トラック情報」パネルで、選択したチャンネルの入力音量を下げるには「録音レベル」スラ
イダを左方向にドラッグし、入力音量を上げるには右方向にドラッグします。
参考:一部のオーディオインターフェイスなどのデバイスでは、
「
GarageBand
」から音量を
制御できないもあります。
「トラック情報」パネルの「録音レベル」スライダが淡色表示され
ている場合には、
「
GarageBand
」で入力音量を調整することはできません。
Â
「自動レベルコントロール」チェックボックスを選択すると、録音時に自動的に「
GarageBand
」
によってクリッピング防止のために入力レベルが下げられたり、ノイズが大きくならないよう
にレベルが上げられたりします。
参考:
「モニタ」ポップアップメニューで「入(フィードバック保護が有効)
」が選択されている
場合には、自動レベルコントロールを選択することはできません。
基本トラックを追加する
基本トラックを追加することもできます。基本トラックは、エフェクトを含まない、ステレオの
リアル音源トラックです。基本トラックをプロジェクトに追加した後で、基本トラックの入力源
とエフェクト設定を変更できます。
基本トラックを追加するには:
m
「トラック」>「新規基本トラック」と選択します。
新しい基本トラックがタイムラインに表示され、
「トラック情報」パネルが開きます。ここで上
記のセクションで説明したのと同じ入力設定を行うことができます。
エレクトリック・ギター・トラックを追加する
エレクトリックギターを演奏する場合は、エレクトリック・ギター・トラックを追加して、ギ
ターの演奏をトラックに録音することができます。各エレクトリック・ギター・トラックのサウ
ンドは、ギターのプリセットを選択してギターアンプを選択し、ストンプボックス・ギター・エ
フェクトを追加してカスタマイズできます。
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第
5
章
チュートリアル
3
:ボーカルと楽器を録音する
エレクトリック・ギター・トラックを追加するには:
1
トラック追加ボタンをクリックするか、「トラック」>「新規トラック」と選択します。
2
「新規トラック」ダイアログで「エレクトリックギター」をクリックし、
「作成」をクリックします。
新規のエレクトリック・ギター・トラックがタイムラインに現れ、トラックのギターアンプとス
トンプボックスエフェクトを示した「トラック情報」パネルがタイムラインの右側に開きます。
3
「トラック情報」パネルで、ポップアップメニューからギターのプリセットを選択します。
4
別のギターアンプを選択するには、ポインタをステージのアンプ上に移動して、左向きまたは右
向きの矢印をクリックします。
5
入力源を変更するには、
「編集」
(アンプが選択されている状態で)をクリックし、
「入力源」ポッ
プアップメニューから別の入力を選択します。
6
演奏中にギターの音が聞こえるようにするには、
「モニタ」ポップアップメニューから「入」ま
たは「入(フィードバック保護が有効)」を選択します。
録音の準備をする
録音先のリアル音源トラックまたはエレクトリック・ギター・トラックを追加したら、録音を開
始する前に次の点を確認します:
アンプをクリックして
下にアンプのコントロール
を表示します。
ストンプボックスを
クリックして下に
そのコントロールを
表示します。
選択した項目の
コントロールが、
ステージの下に
表示されます。
クリックして入力源を変更するか、
使用できるすべてのストンプボックス
エフェクトを表示します。
第
5
章
チュートリアル
3
:ボーカルと楽器を録音する
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Â
マイク、ギター、またはほかの楽器が正しく接続され、動作していることを確認します。
Â
「
GarageBand
」の環境設定の「オーディオ/
MIDI
」パネルで、適切なオーディオドライバが
選択されていることを確認します。新しいオーディオデバイスを追加した場合には、そのデバ
イスをオーディオ入出力に使用するかどうかの選択を求められます。
Â
「トラック情報」パネルを開いて、楽器に希望通りの音源設定とエフェクト設定が行われてお
り、楽器が正しい入力源を使用していることを確認します。
Â
いくつかの音を歌うか演奏して、トラックのヘッダのレベルメーターを観察してください。ト
ラックが入力を受信し、クリップノイズが発生していないことを確認します。レベルメーター
の右側の赤いランプ(クリッピングインジケータと呼びます)が点灯した場合には、「録音レ
ベル」スライダをドラッグして入力レベルを調整するか、
「自動レベルコントロール」を選択
するか、あるいはコンピュータに接続したオーディオデバイスのレベルを下げてください。
Â
後で変更しなくて済むように、プロジェクトのテンポとキーを設定します。
リアル音源を録音する
これで選択したリアル音源トラックまたはエレクトリック・ギター・トラックにサウンドを録音
する準備が整いました。
リアル音源トラックまたはエレクトリック・ギター・トラックに録音するには:
1
トラックが選択されていて、トラックのヘッダにある赤い録音可能ランプが点灯していることを
確認します。
2
タイムライン上で、録音を開始したいポイントに再生ヘッドを移動します。
3
ビートに合わせて演奏を開始しやすくするために、
「コントロール」>「カウントイン」と選択
して、実際の録音が始まる前にメトロノームが
1
小節分のカウントを刻むようにします。
(あるいは、ミュージックの録音を開始したいポイントの数拍前に再生ヘッドを移動する方法も
あります)
。
4
録音を開始するには、トランスポートコントロールの録音ボタンをクリックします。
5
楽器の演奏を開始するかマイクに向かって歌います。ミュージックの録音が始まると、録音の進
行に合わせて、選択したリアル音源トラックに新しいリージョンが表示されます。
6
録音が終わったら、再生ボタンをクリックして録音を停止します。
間もなく、新しく録音されたリージョンにオーディオ波形が表示されます。
再生ボタン
サイクルボタン
録音ボタン
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第
5
章
チュートリアル
3
:ボーカルと楽器を録音する
次に、新しい録音を試聴して演奏の出来を確認できます。
新しい録音を聴くには:
1
タイムライン上で、新しいリージョンの開始ポイントに再生ヘッドを移動します(リージョンの
左端に合わせます)。
また、プロジェクト中の少し前のポイントまたはプロジェクトの先頭に再生ヘッドを移動すれ
ば、プロジェクトの流れの中で新しい録音を聴くことができます。
2
再生ボタンをクリックするか、スペースバーを押します。
サイクルリージョンを利用して複数のテイクを録音する
サイクルリージョンを使用して、プロジェクトの特定の部分に録音するように定義できます。サ
イクルリージョンによって録音の開始位置と終了位置が決まります。サイクルリージョンを使っ
て録音すれば、複数のバージョン(
「テイク」)を録音しておいて、後で気に入ったテイクを選ぶ
ことができます。
サイクルリージョンを設定するには:
1
サイクルボタンをクリックします。サイクルリージョンが、ビートルーラのすぐ下に黄色い帯で
表示されます。
2
ビートルーラ上の、録音を開始したいポイントにサイクルリージョンの左端を移動し、録音を終
了したいポイントまでサイクルリージョンの右端をドラッグします。サイクルリージョンの中心
をドラッグして、タイムラインの別の場所に移動できます。
録音を開始したいポイントの数ビート前にサイクルリージョンを開始すると、目的のビートから
演奏を開始しやすくなります。また、最後の音がサイクルリージョンの末尾を越えてしまった場
合のために、録音を停止したいポイントの数ビート後にサイクルリージョンを終了することをお
勧めします。
サイクルリージョンのいずれかの終端を
ドラッグして、長さを変更できます。
第
5
章
チュートリアル
3
:ボーカルと楽器を録音する
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サイクルリージョンを使用して複数のテイクを録音するには:
1
録音先のリアル音源トラックを選択します。
2
録音ボタンをクリックすると、録音が開始されます。
3
楽器の演奏を開始するかマイクに向かって歌います。録音が始まると、選択したリアル音源ト
ラックに新しいリージョンが表示されます。
4
録音が終わったら、再生ボタンをクリックして録音を停止します。
5
追加のテイクを録音したい場合には、録音ボタンをクリックしてそのパートをもう一度演奏し
ます。
6
サイクルリージョンを使用し終えたら、サイクルボタンをもう一度クリックして切にします。
複数のテイクを録音すると、録音されたリージョンの左上隅に、選択されたテイク(プロジェク
トの再生時に再生されるテイク)を示す円が表示されます。違ったテイクを選んで聴き比べれば、
どれが一番よい出来かを判断できます。
別のテイクを選択するには:
1
タイムラインで、ループの左上にある円で囲まれた数字をクリックします。
リージョンに録音されたテイクを示す「テイク」メニューが表示されます。
2
「テイク」メニューから別のテイクを選択します。
別のテイクを選択すると、ループが変更されて新しいテイクの波形が表示されます。
選択したテイクを削除するには:
m
「テイク」メニューから「<テイク名>を削除」を選択します。
選択したテイク以外のすべてのテイクを削除することもできます。
すべての未使用テイクを削除するには:
m
「テイク」メニューから「未使用のテイクを削除」を選択します。
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第
5
章
チュートリアル
3
:ボーカルと楽器を録音する
同時に複数のトラックに録音する
最大で
8
つのリアル音源と
1
つのソフトウェア音源を同時に録音できます。そのため、たとえば
ボーカルと音源を一緒に録音し、それと同時に伴奏トラックも録音したりすることができます。
トラックを選択すると、そのトラックが録音できる(入になる)ようになります(つまり、録音
ボタンをクリックすると、そのトラックの録音が開始します)。各トラックの先頭にある円い録
音可能ボタンをクリックすれば、トラックを
7
つまで追加できます。録音可能ボタンが赤くな
り、そのトラックが録音可能であることが示されます。
トラックの録音を無効にするには、トラックの先頭にある録音可能ボタンをもう一度クリックし
ます。
複数のリアル音源を同時に録音するには:
1
「トラック情報」パネルで、リアル音源トラックがそれぞれ別の入力源を使用する設定になって
いることを確認します。
2
各トラックのヘッダにある録音可能ボタンをクリックすると、録音したいトラックを有効にでき
ます。
3
録音を開始するには、トランスポートコントロールの録音ボタンをクリックします。
ソフトウェア音源を、リアル音源と同時に録音するには:
1
録音可能ボタンをクリックして、ソフトウェア音源トラックの録音を有効にします。
2
録音を開始するには、トランスポートコントロールの録音ボタンをクリックします。
8
つより多くのリアル音源トラックを有効にしたり、複数のソフトウェア音源トラックを有効に
したりすると、最大の録音トラック数を超えないように、最初に有効にしたトラックから順次録
音が無効になっていきます。
複数のトラックに録音するには、
2
つ以上の録音用入力チャンネルのあるオーディオインター
フェイスが必要です。
リアル音源トラックのエフェクトを追加したり調整したりすることもできます。エフェクトの使
用方法については、
95
ページの「
GarageBand
でエフェクトを使う」を参照してください。
録音したい各トラックの
録音可能ボタンを
クリックします。
第
5
章
チュートリアル
3
:ボーカルと楽器を録音する
57
「
GarageBand
」でギターをチューニングする
「
GarageBand
」には楽器チューナーが装備されており、コンピュータに接続されたギターやベー
スなどの楽器をチューニングするのに利用できるようになっています。音源チューナーは、リア
ル音源用で、ソフトウェア音源には使用できません。
楽器チューナーでは水平方向に目盛りが表示され、中央に音階の名前が表示されます。リアル音
源で単音を演奏すると、表示された音名の正確なピッチを基準としたピッチが示されます。
楽器チューナーを使用するには:
1
チューニングしたいリアル音源がコンピュータに接続されていることを確認します。
2
チューニングしたい楽器のリアル音源トラックを選択します。
3
LCD
ディスプレイでチューナーモードを選択するか、「コントロール」>「
LCD
にチューナーを
表示」と選択します。
4
楽器で単音を出して、チューナーを観察します。
音を出すと、その音に最も近い音階の名前がチューナーに表示されます。音程が正確でない場合
には音名とチューナーが赤くなり、その音がシャープしているのかフラットしているのかを示す
赤い垂直のバーが現れます。
このバーが音名の右側にあるときには音がシャープしているという意味で、左にあるときには音
がフラットしていることを示しています。音程が合っている場合には音名とチューナーの目盛り
が青く表示され、垂直のバーは表示されなくなります。
チューニングする際には、一度に単音だけを出すようにしてください。楽器チューナーは、和音
が演奏された場合や異なる音程の音がすばやく演奏された場合にはチューニングできません。
6
58
6
チュートリアル
4
:ソフトウェア音源
を再生する/録音する
「
GarageBand
」には、ドラム、ギター、ピアノ、オルガン、シンセ
サイザーなどといった幅広い種類のソフトウェア音源が付属してお
り、それらを自分のプロジェクトで利用できます。
ソフトウェア音源は特殊なタイプの音源です。音を演奏すると(コンピュータキーボード、オン
スクリーンキーボード、またはコンピュータに接続された
MIDI
準拠の音楽用キーボードを使っ
て)
、選択したソフトウェア音源に応じた実際のサウンドがコンピュータによって生成されます。
ソフトウェア音源にエフェクトを追加したり、エディタでソフトウェア音源リージョンを編集し
たりすることができます。また、
「
GarageBand
」用の
Jam Pack
を購入すれば、「トラック情報」